- ザリガニの飼育方法は?
- 水槽からザリガニの臭いを抑えるには?
春になると川や池、田んぼや用水路などにザリガニの姿が見かけられるようになります。
それにともない、ザリガニ釣りをする小学生男子の姿も。
ある日子供が釣り上げてきたザリガニを飼育する方法をまとめてみました。
ザリガニを初めて飼うお父さんお母さん、参考にしてくださいね。
ページの目次
ザリガニの飼育方法は?
子供が釣ってきたザリガニですが、慌てずとも大丈夫。
ザリガニ飼育の準備品は驚くほど簡単ですから!
準備するもの
- 飼育ケース(30cm×20cm以上)
- 砂利
- 隠れ家オブジェ
- エサ
いかがでしょうか。
飼育ケースは「去年カブトムシを飼育するのに使ってたやつ」でも何でもOK。
なければ近所のダイソーかセリアなどの100均で入手可能です!
砂利は、ザリガニを捕まえた川底のものでOK。なければ、その辺の庭の石でもOK。
隠れ家オブジェは、ザリガニが身を隠すためのものです。壊れた植木鉢などでOK。
そしてザリガニは雑食で何でも食べるため、わざわざ指定のエサを買う必要はありません。家にあるものでOK。

驚くほど簡単でしょう?
ザリガニ飼育はすぐにでも、誰でも始められるハードルの低いものなのです。
毎日のエサやり
ザリガニの飼育スタートは驚くほど簡単。
けど、ザリガニ飼育にはちょっと手間がかかるのでご注意くださいね。

まず、毎日1~2回エサをあげます。
ザリガニは雑食なので、はっきり言って何でも食べます!
たとえば、ご飯の残りの鶏肉とか、かまぼことか、きゅうりとか…。
逆に「ザリガニが食べないものってあるの?」と聞きたいくらいです。
しかし生き物ですから、人間の加工用の食品添加物などは極力与えないようにするといいでしょう。
たまにおなかいっぱいなのか、気に入らないのか、食べないときもあります。
ザリガニも生き物ですから個体差があるものと思い、それ以外のエサをあげるなどして対処しましょう。
エサの量は、一度にザリガニの尻尾くらいの大きさで十分です。
食べ過ぎるとザリガニ自身がえさを残して立ち去ります。
残ったエサは水を汚さないために、すぐに取り除きましょうね。
毎日の水替え
ザリガニの飼育は基本的にとても簡単。
しかし、ちょっと面倒だなと思うのは、毎日の水替えでしょう。
水替えは毎日必要です。
ザリガニ飼育に必要な水は、ザリガニが「ひたひた」になるくらいの浅い水。
熱帯魚を飼うときのように、水槽の7~8割まで水を入れる必要はありません。
その代わり、水の漁が少ないせいですぐに汚れます!
毎日の水替えは必須と考えましょう。
幸いザリガニは魚とちがって、ちょっと陸にあげても大丈夫です。
水替えのときは水槽の外に出して散歩していてもらいましょう。
油断すると逃げちゃうから気をつけてくださいね。
水槽からザリガニの臭いを抑えるには?
小学生男子のいる家などでは、ザリガニを飼ったことのあるご家庭が多いでしょう。
そうでなくとも、小学校のときにクラスで飼っていたなど、
ザリガニ飼育の経験のある人もいるかもしれませんね。
そして、一度でもザリガニ飼育をしたことのある方ならばお分かりでしょうが、
ザリガニを飼育する水槽って、ものすごく臭いんです!
このザリガニの臭いにやられて、「元の川にかえしておいで」と子供に頼む母も多数。
ザリガニの水槽は、本当に臭いんです!
そこで、ザリガニ飼育のときに水槽が臭う理由と、水槽を臭わなくする方法を調べてみました。
水槽が臭う理由
まずはザリガニ飼育の水槽が臭う理由を調べたところ、答えは実に簡単でした!
まず、臭いの元はザリガニの排泄物です。
糞尿が臭っているんです!
ザリガニ飼育のときに使う水って、浅いから量が少ないですよね。
すぐに糞尿が浸透しちゃうんですよ。
それで1~2日飼育しただけで「くっさ!なにこれ?!!」となるわけです。
生き物だから当然ですよね。糞尿の量も、臭いも至極自然なことなんですよね。
そして、この糞尿の臭いを解消する方法はいくつかあります。
水の量を増やす
まず、単純ですが水の量を増やす方法が挙げられます。
水の量を増やせば、水の汚れる速度も遅くなります。
しかし、ザリガニはエラ呼吸する生き物です。
水を「ひたひた」の量入れておけば酸素は十分いきわたりますが、
水の量を増やすことで水中酸素を補充する必要がでてきます。
水中に酸素を補充…つまり、熱帯魚飼育などで使うぶくぶくしているエアポンプなどを使用するということです。
「OK!」といえる方ならいいのですが、
「え…たかがザリガニ飼育に、そこまでお金かける?そんな大掛かりなことする?」と、
疑問に思った方は、もう一つの方法をお選びください。
毎日水交換する
臭う!と思う前に水交換をすればいいのです。
ザリガニって、普通の熱帯魚とちがって、水道水などでもわりと耐えてくれる生き物。
もちろんカルキ抜きをするに越したことはありませんが、カクレクマノミの飼育のときの水交換とはワケが違います。
ちょいっとザリガニを持ち上げてどこかにおいて、水槽をザバーっと傾けて古い水を捨てて、
ザバーっと新しい水を入れれば完了。
庭のみずやりのついでにできちゃうくらいのお手軽さなんです。
水を毎日清潔にしてやることで、においはだいぶ抑えることが出来るでしょう。
ザリガニ専用エサを与える
ザリガニの水槽が臭うもう一つの理由として、「食べ残し」があげられます。
ザリガニが雑食で何でも食べるからと言って、あれもこれもと人間の食べ残しをあげていては大変。
ザリガニが食べ残した小さな欠片は水にふやけて発酵(腐って)してきます。
つまり、生ゴミの臭いですよね、腐りかけの。臭くて当たり前です。
そこで生ゴミの臭い発生を抑えるために、ザリガニ専用エサを与えることをおすすめします。
ザリガニ専用エサは栄養バランスもよく、糞尿が臭いにくい(あくまでも、にくい)といわれています。
鼻をつく激臭も少しは緩和すると思いますよ!
水槽内にバクテリアを定着させる
熱帯魚飼育や、淡水魚飼育を思い出してみてください!
魚だって糞尿を水の中に垂れ流し、ろ過装置がなければすぐに水質が悪化して死んでしまいますよね。
そんなときに水槽内の水質向上に努めてくれるのが…そう、バクテリアです!
正確に言うと、バクテリアがたくさん付いた石ころなどです。
バクテリアが定着しやすい底砂や石をわざわざ購入して、熱帯魚飼育の水槽にいれますよね。
あれと同じことを、ザリガニの水槽でも行えばいいのです。
アンモニアなどの毒素をどんどん分解してくれ、害も臭いも大幅に減らしてくれます!
「え…たかがザリガニ飼育に、わざわざバクテリアを購入するの?」といわずに、臭い緩和の1つの有効な方法として、覚えて置いてください!
ザリガニ飼育の注意点
ザリガニは簡単に手に入る上に、生命力のとても強い生き物です。
それゆえに、庭でバケツで雑に飼う人もいるくらい。
もちろん、毎日の水替えやエサやりをきちんとして、かわいがればOKです。
しかしいくらザリガニが丈夫だからと言って、生き物を飼う以上最低限のケアはしてあげるべきでしょう。
異なる種類であっても命は命。
子供に命を管理し、守り続ける苦労がいかに大変なものかを教えるいい機会と思い、
ザリガニ飼育にあたる以下の注意点に関しても、目を通しておきましょう。
水はカルキ抜きする必要あるの?
まず、淡水魚飼育をするときには念入りにカルキ抜きをして、水道水を直接使うのは厳禁ですよね。
なのに、ザリガニ飼育にはざばざばと水道水を使う人もいます。

「あれって大丈夫?」と心配になりますよね。
厳密に言えば、大丈夫ではありません。
ザリガニもやっぱり水道水はきつい。
カルキ抜きをする必要はあります。
ただ、淡水魚飼育のようにカルキ抜き剤を使う人もあまりいないような…。
「ザリガニ飼育はお金をかけずに!」という暗黙の法律でもあるのでしょうか?
毎日バケツに水をはっておいて、1日たてばカルキがぬけます。
特に、日向の日光に良くあたる場所においておけば
その水を使用すればOK!という方が多いように見えます。お金かからないからでしょうか笑。
砂利はよく洗う
ザリガニを釣ってきた場所の砂をとってきたら、使う前によく洗いましょう。
小さな微生物がたくさんいる可能性もあり、ザリガニ飼育の途中で繁殖しないためにも、
砂利は水洗いしてから使用することをおすすめします。
流水でざばざばとお米を研ぐようにあらったあと、
100均などのビニールシートの上で乾かしてから使用するといいですね。
ザリガニは共食いする!
ザリガニは共食いをします。食い合っているのか、戦っているのか。
同じ水槽に2匹以上飼育する場合は、共食いを注意していてくださいね。
特に、30cm~くらいの小さな水槽では、100%喧嘩すると考えられます。
けんかしたからと言って即刻食べあうわけではないですが、
やっぱり争いをさけるためにも1つの水槽に1匹飼育が基本と考えてください。
子供がたくさん釣ってきて「飼いたい!」と言い出したときにも、
「食べあってしまうから、飼うのは1匹だけね。」と説得しましょう。
うっかりと2匹を同じ水槽で飼って、ある日そのうちの1匹が半身だけになっていることもあります。
子供に見せるのは酷ですから、多頭飼育はなるべく避けてくださいね。
また、下のほうに詳しく書きますが、ザリガニは脱皮をします。
そして脱皮してから殻が固くなるまでの1~2日は、
ふよふよの柔らかいからだの状態。
そのときに、同じ水槽に別のザリガニがいると、柔らかい体を食べられることがあるのです。
脱皮の兆候が見られるときだけでも、水槽を分けて飼育してくださいね。
多頭飼いするとき
どうしてもザリガニを2匹以上、同じ水槽で飼いたいときは、いくつか工夫をするといいでしょう。
まず、45cm以上の大きな水槽にすることです。
そして、隠れ家を1匹につき1つ用意してあげることです。
ザリガニは隠れるのが大好き。
そして、自分のお気に入りの隠れ家があるものです。
同じ場所に2匹隠れると喧嘩の原因になるため、多頭飼いの場合は必ず、
頭数分の隠れ家を用意してあげましょう。
ザリガニのはさみが取れた!
ザリガニを多頭飼いしていると、ある日水槽の中に「ザリガニの手が落ちてる!」ということがしばしば起こります。
ザリガニ飼育に慣れていない飼い主さんはびっくりするでしょうが、心配要りません。
ザリガニは敵と喧嘩したときなどに、はさみを自分で切り離して逃げることがあるからです。

まさに、トカゲの尻尾きりと同じことです。
はさみだけでなく、触覚などの体の一部を切り離すことは珍しくないのです。
そして、切り離した体は、脱皮を何度かするうちに、自然と再生してくるのでご安心ください。
ザリガニはエラ呼吸!
ザリガニを飼って、手でつかんで陸にあげたことのある方ならわかると思いますが、
ザリガニは陸上でもすいすい動きますよね。
そのせいか、ザリガニがエラ呼吸ということはあまり知られていません。
「陸上でも生きられるでしょ?」と思い込んでいる方が多いのです。
しかしザリガニはエラ呼吸。基本、水の中でないと生きられないのです。
そして上述しましたが、水の中に十分な酸素が行き届いていないと、弱って死んでしまいます。
水槽に水をたくさん入れて飼育する場合は、必ずエアポンプを設置してあげましょうね。
ザリガニはすぐに逃げ出す!
ザリガニ飼育でもっとも注意すべきは、ザリガニの脱走です。

ザリガニはすぐに水槽を抜け出します。
抜け出したところであの姿。赤で目立つのですぐ捕獲できちゃうんですが、
辺りを水浸しにするし、臭うしで、あまり家の中をうろうろしてほしくはないですよね。
なので、ザリガニ飼育の水槽はふたがしっかりと閉まるものを選びましょう。
バケツの上にプラスチックの板をのせたくらいでは、
空気用にとあけたすき間からすぐに逃げ出してしまいますよ!
屋外で飼っている場合は、逃げた先に人間の車道などがある場合もあり、ひかれて死んでしまうことも。
簡単に入手できたからと言って、命は命。
飼育を始めたならば、小さな命に最後まで責任を持ちましょうね。
ザリガニの脱皮について
ザリガニは、大人になるまでに何回も脱皮を繰り返します。
そして大人になってからも、年に1~2回脱皮をします。
大人になってからの脱皮は、大きくなるためではなく、古く傷ついた体を一新するためと考えられます。
脱皮の仕組み
ザリガニは脱皮をする2週間ほど前から、胃の中にカルシウムをためます。
そして脱皮をした後に、体中にこのカルシウムを行き渡らせるのです。
脱皮したてにはふよふよの柔らかかった体が1~2日で硬化する様は、生命の神秘を感じさせますよ。
脱皮の兆候
ザリガニは脱皮をする前になると、あまり餌を食べなくなるといいます。
やっぱり、腹が出ると殻を脱ぎにくくなっちゃうからでしょうかね。
少食は脱皮前の兆候として考えられます。
また、脱皮の1~2日前になると、古いからが浮ついてきます。
体と古いからの間にすき間が出来てくるんです。
殻がかぱかぱに浮ついてきたら、脱皮サインと思ってください。
同じ水槽に別のザリガニがいるときなどは、
脱皮直後の体が柔らかいときをねらって食べようとするため、
脱皮するほうのザリガニを別の水槽に移しましょうね。
また、脱皮後の殻も、ザリガニが食べることもありますが、水を汚すゴミにもなるため、早めに取り除きましょう。
ザリガニが卵を産んだとき!
ザリガニを飼育しているときに、卵を産むことがあります。
メスのザリガニの尻尾の下に、大量の卵がついていることがあるのです。
メスは一度に100~300個の卵を産みます。卵1個の大きさは、
せいぜいゴマ粒半分くらいのサイズで、とても小さいです。
卵を確認したらすぐに…
まず、メスの卵を確認したらすぐに、他のザリガニとは離してあげましょう。
別の水槽に入れ替えるのです。
卵は別のザリガニに餌として狙われてしまうからです。
お母さんのザリガニはしょっちゅう尻尾をふりふりとゆすります。
体全体でゆらゆらゆれていることもあります。
卵が出来てから頻繁にされるそれらの動作は、尻尾の下の卵に新鮮な空気を送るための行動。
お母さんザリガニを入れた水槽だけでも、
エアレーションなどで新鮮な空気を水中に送ってあげるといいでしょう。
卵の孵化
お母さんザリガニのおなかに卵を確認してから、約2~3週間たつと卵が孵化します。
孵化して、クモの子供のように散り散りになるかと思いきや…
その時点ではまだ、お母さんのおなかと細い糸で結ばれているんです。
人間で言うとへその緒のようなものでしょうか。まだまだ外敵から身を守るために、
お母さんとの結びつきが必要な時期なのですよね。
そして生まれて数日で最初の脱皮をします。このときの脱皮がまだまだ中途半端です。
小さな透明のエビのような姿にはなるものの、抜け出た体も、脱皮したからさえも、
お母さんのおなかにぶらぶらとつながっているんです。
まだまだ独り立ちするには頼りない時期ということですね。
お母さんから離れるとき
そして1ヶ月ほどしてから、2回目の脱皮をします。
この2回目の脱皮で、赤ちゃんたちはやっとお母さんのおなかから離れて、自由に歩き始めるのです。
姿かたちはお母さんザリガニと似てきますが、なにぶんサイズが小さい!
1cmに満たないくらいの小さな赤ちゃんたちです。
やっとお母さんとつながっている糸が切れて、自由に歩きまわれるようになってからも尚、
数週間はお母さんのそばにいます。
外敵が現れると、お母さんのおなかの下にサーっと隠れるためです。
多頭飼いは厳禁
赤ちゃんザリガニは、他のザリガニや魚などと混泳させると、あっという間に食べられてしまいます。
赤ちゃんのうちは他の魚やザリガニに近づけないように気をつけてくださいね。
赤ちゃんザリガニは、1~2年で10回~15回の脱皮を繰り返して、見る見る大きくなります。
2年目には大人のザリガニとして、サイズも10cmに迫ってくるでしょう。
こうなると、もう赤ちゃんとも子供とも言えません。繁殖が可能な立派な大人のザリガニです。
と、ここまで説明しておいてなんですが、
アメリカザリガニの繁殖は出来る限り避ける必要があります。
また、偶然採取したザリガニが卵をみごもっているメスであった場合の対処法も、
飼い主さんの倫理観によって左右されます。
その理由を以下に書いたので、安易に家庭で繁殖させる前に、必ずご一読くださいませ。
アメリカザリガニは要注意外来種である
1927年に、食用ウシガエルの餌として日本に持ち込まれたアメリカザリガニは、当時たったの20匹でした。
しかし、その養殖池から逃げ出した個体は、その後またたく間に日本で猛繁殖。
30年後の1960年代には九州にまで分布を広げました。
田んぼを荒らす
アメリカザリガニの繁殖力・生命力はすさまじく、
田んぼや水場の生態系をあらすだけでなく、
稲などの人間の食料にも影響を与えるようになりました。
そのため、アメリカザリガニは日本生態学会によって『侵略的外来種ワースト100』に認定されています。
『特定外来種』ではないため、飼育の規制はありませんが、
なるべくなら繁殖させることは避けたほうがよさそうです。
万が一繁殖させた場合
仮にどうしても繁殖させたい!と願うのであれば、近隣水場の生態系や稲などの植物を守るためにも、
生まれたザリガニの赤ちゃんを放さないよう気をつけましょう。
1度に100~300個の卵を身ごもり、それらが孵るとなると、
その後300匹の赤ちゃんを飼育し続けることに。
物理的にもちょっと無理がありますよね。
これらの理由から、飼育下でアメリカザリガニの繁殖をすることは、
避けるべきであることをお伝えしておきます。
まとめ
初めてザリガニを飼育する方のために、
ザリガニの飼育方法を簡単にまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
驚くほど簡単、驚くほど安価で飼育可能なザリガニ。
かといって、手間隙がかからないわけではなく、意外と面倒な一面もあります。
簡単で丈夫だからと言って手を抜きすぎず、手間をかけるところはしっかりとかけて、
大切に育ててあげましょうね。
以下の記事もご覧ください。